【しほさんぽ vol.3】〜通学路から見えたもの〜

SUMITSUKE スタッフの「しほ」が、気の向くままに南畑のおすすめスポットやお店などをご紹介していく地域案内「しほさんぽ」。
3回目は、ちょっと思考を変えて南畑の日常の風景を楽しみながら実際にさんぽしてみようかな〜と。
子どもの頃に毎日通った通学路。近所の子ども達と遊んだお気に入りの場所やそこから見えていた景色。大人になった今はどんな風に見えるんだろう。
みなさんも童心にかえって読んでいただけたら嬉しいです。

(私が住んでいた実家の近くの風景。滅多に車が通らないので、近所の子どもが集まって石でよく落書きしてました。)

まずは朝の登校から。
ひとつ年下の幼馴染を自宅の庭から大声で呼ぶところから”しほ”の一日は始まります。『ゆ〜か〜ちゃ〜〜ん!い〜く〜よ〜〜〜。』これが毎朝のルーティーン。
近所の子どもが揃ったらいざ出発〜!自宅から学校までは子どもの足で20分ほどかかります。仲良く行く日もあれば、途中で喧嘩してバラバラに登校する日もしばしば。
まぁでも次の日の朝には、また庭先から元気に名前を呼ぶんですけどね(笑)


(毎日通った寺瀬橋。ここから見える桜が個人的に一番好きです。ちなみに喧嘩が始まるのはもう少し先の大通りに出てから・・・。)

学校では2時間目の終わりのチャイムと同時に運動場にダッシュ。靴は履きやすくて脱ぎやすいものが絶対。中休みは時間との勝負ですから、下駄箱を出る時は片方の靴はまだ履きかけぐらいでいいんです。運動場につく頃にはちゃんと履けてますからね。短い時間でも思い残すことなく遊び切るのが南畑スタイル。もちろん授業も全集中です。

1日フルパワーで学校を終えたら、次なるステージ。学校のすぐ下にある、通称かっちゃん店へ。(現ヤマザキYショップ)


(南畑ではYショップとは言いません。大人も子どももみんな“かっちゃん店”)

ここを通らずには帰れません。こっそり10円ガムを2,3個買って帰ります。(※もちろん本当はダメですよ。)

(当たりが出たらもう1つもらえるやつ。ちなみにこれ当たりました。)

帰り道は時間に縛りがないので、田んぼを覗いたり空き地を公園のように走り回ったり南畑の自然豊かなフィールドを寄り道し放題。何か特別なことをしているわけでもないんですが、とにかく時間がかかるんです。そうそう、よくじゃんけんグリコしながら帰ってたなぁ。3歩進んで2歩下がるというのはこういう事です。

(不入道のこの裏道が好きだったなぁ。当時は何もなかったけど今はオシャレなカフェもできちゃって進化してる!)

(この丸いのを数えながら歩いたりしませんでしたか?いろんなサイズといろんな色があるんですよね。)

家に帰り着いたらランドセルを玄関に置いて、そのまま近所のお友達と即合流。『3分後に集合やけんね!』。
どんなことをして遊んでいたかなぁと改めて思い返してみると、缶蹴りをしてる記憶が一番鮮明なんです(笑)。

(この下は小川になっています。)

小川の近くにいつも缶を置いているんですが、その缶を小川の中に蹴るという荒技をしてましたね〜。容赦無く流れていくわけですよ、缶が小川をコロコロと。流れていく缶を潤んだ目で追いかけながら、更に川の中に入らないと缶が取れないんですからオニにとってはたまらないですよね。。。
おまけに捕まえた子どもたちは全員散り散りに逃げていくし。

(上流からコロコロと流れてきます。)

こんなことをしているもんだから、みんな最終的にオニが回ってきてしまうと大泣きしながら帰るっていうのがお決まり、私もいっぱい泣いたなぁ(笑)
今考えたら川の近くに置かなきゃいいのにって思いますよね。あんなに泣いて帰ったのに、またその場所に置いちゃうんです。子どもって面白いですよね。

さて、缶蹴りに飽きたら、秘密基地づくりといきましょう。

(昔はサササッと登って行けたんですけど今は無理でした(泣))

みなさんも経験があるかと思うんですが、これが最高に楽しかったんです。なんなら今でもやりたい!秘密基地づくり。
山に入ったら、まずは柱になるちょうどいい木を探すところから。その柱を地面にしっかり埋めて基地の土台を作ります。屋根は家からこっそり持ちだした青いビニールシート。毎日ちょっとずつ継ぎ足してアップデートしていく過程が面白かったんです。

(秘密基地から見えていた景色は今も変わっていなかったことが嬉しかったです。)

少し傾いた秘密基地の中で、外の景色を眺めながら食べるおやつが格別だったんです。食べてたら柱に足が当たって倒壊する、なんてことも良くありました。
『あ〜あ。。』とか言いながらも、また一から作り直す作業さえもあの頃はとても楽しかった記憶があります。
子どもってすごいですよね。もう辞めようとか、諦めようとか全く頭にないですから。時間をかけて作ったものが例え失敗だったとしても、やりたい!と思うことには何度でもチャレンジ出来るんです。そのチャレンジ精神って無敵だと思う。なんで大人になると無くなっちゃうんだろうなぁ、とか考えちゃいますね。

せっかくなのでもう少しさんぽしてみましょうか。

(何秒で登れるかを競い合います。)

今は怖くて絶対出来ませんけど、この崖をてっぺんまで登って遊んでました。頂上からの景色を楽しむと言うより、登り降りのスリルが楽しかったんでしょうね。危ないとかあの頃は考えもしてなかったですね。っていうか私わんぱくですね・・・。

でも今ここを息子が登っていたらめちゃくちゃ怒りますよ(笑)昔と比べて車の通りも増えたし、どうみても危なすぎる!!ほんとよくこんなことやってたな・・・。

この崖のお向かいには今でこそ民家がたくさん建っていますが、昔は空き地だったんです。つくしがたくさん取れる名所だったんですよ。春になると母とここで袋いっぱいにつくしを取るのが大好きでした。
不思議なことに、ここに来るといつもあの頃の楽しかった記憶が蘇ってくるんです。なんの変哲もない空き地だったんですが、大事な思い出の場所です。

さて、無事に下校までさんぽも完了。いろいろと懐かしかった〜。今回実際にさんぽしてみて分かったんですが、大人になって冷静に見ていくと特に面白い場所はないんですけど(笑)でも、子どもの頃はこんな狭い世界でも毎日が冒険のように楽しかった。半径500mの中に思い出がギューーッと詰まってるんです。

街を歩いている時と違って、南畑を歩くと心がとても穏やかになるんです。
それはきっと歩けば歩くほど、四季を感じて自然に触れて元気いっぱい楽しかった思い出があちらこちらで蘇ってくるからなのかもしれません。
幼少期を南畑で過ごしたこと、それは想像以上に今の私の”核”となる部分を作っていることに
思いがけず気付くことができました。こんなにも確固たるものとして私の中にあったなんて。

きっとここで育った子どもたちはみんなそう思う時がくるはず。

春になったら今度は子ども達を連れて思い出話に花を咲かせながらさんぽしてみようかな。