【しほさんぽvol.11】〜「ほんげんぎょう」無病息災を願って〜

SUMITSUKE スタッフの「しほ」が、気の向くままに南畑のおすすめスポットやお店などをご紹介していく地域案内「しほさんぽ」。
今回は、正月三が日が終わって日常生活に戻ってくるころに行われる、正月の伝統行事「ほんげんぎょう」をご紹介します。

竹やわらでやぐらを組み、その中に正月飾りを燃やして、新しい年の無病息災を願うほんげんぎょう。
1月7日の早朝にSUMITSUKE横の田んぼで行われていたのでご一緒させていただきました。

まだ夜が明けきらない暗がりの空に向かって、真っ直ぐ燃え上がる炎。
燃える松明の灰を被るとその年は病気にならない、この火で焼いた餅を食べるとこの年は病気をしないと言われているんだとか。
また、書き初めの書を燃やして炎が高く上がれば上がるほど、書が上達するとも言われているんだそうですよ。


これが、スミツケ横の田んぼに組まれたやぐらです。
テッペンまでだと10mほどの高さがあり迫力満点でしょう?実物はもっと見応えがありますよ。
地域の方々が、山からせっせと竹を切り出して、バランスを見ながら組み上げて、
毎年協力してこのやぐらを作ってくださいます。

早朝6時半に地元の皆さんが集まって、まずは日吉神社にお参り。
それから点火となります。
まだ夜が開けきらない薄暗い空に青竹の弾ける『ポーンポーン』という威勢のいい音が
辺り一面にこだまします。
『寒かね〜。』とか『今年もよろしくね。』とか、ふ〜っと白い息を手に吐きかけながら
新年のご挨拶。
私も小さな頃、夜(正式には夜明けですが)にお出かけするって子どもながらにワクワクしていたのを思い出しました。

余談になりますが、実はこの竹の弾ける音は、田んぼに潜むモグラを追い払う効果があるんだそう。
こういう話を聞く度に、昔の人の知恵って本当にすごいなぁと思います。

毎年、雪が舞う中、火を囲んでお昼過ぎまで豚汁を食べたりかっぽ酒を飲んだり。
地域の方々にとって新年の挨拶を交わすための大事な行事となっているんです。

寒い中食べる豚汁ほど美味しいものってない!
これまた、地域の方が作った柚子胡椒を添えていただくのがたまらないんです!!
竹の器っていうのもお正月ならではで特別感があって気分が上がります。

かっぽ酒。私はお仕事があるので見るだけですが、皆さんそれはそれはおいしいそうでした。。。

昔から引き継がれている伝統行事「ほんげんぎょう」
作り手がなく、なくなってしまった地区も多い中、南畑では復活させた地域もあるんです。
子どもたちの記憶に残り続けるもの。
雪の舞う寒さとか、燃え上がる炎の勢いとか、いつもとは違う暗がりでお話する楽しさとか。

手間がかかるけど、伝えていきたい。ずっとずっと守っていきたい。
そう強く願った2025年の年明けでした。