【しほさんぽvol.14】〜南面里の摩崖仏〜

SUMITSUKE スタッフの「しほ」が、気の向くままに南畑のおすすめスポットやお店などをご紹介していく地域案内「しほさんぽ」。

今回ご紹介するのは、南面里にある山神社、摩崖仏です。『本当にすごいから、絶対行った方がいい!!』と噂では聞いていたので、いつか行ってみたいとずっと思っていた場所だったんです。
念願叶って、ちょっと(いやかなり)テンション高めのしほさんぽとなりました笑。

さて、舞台は南面里、戸板の山神社。ただの山神社ではありませんよ。古代からの伝説もある、なんともロマンあふれるスポットなんです。
車一台がやっと通るくらいの細道を登っていくと、左手に猪避けの柵を発見。
事前に写真で調べていたこともあり、一目でココだ!と認識しました。


山神社の最大の魅力は、社殿のすぐ横にそびえ立つ、幅15m、高さ8mにもなる巨大な岩です。


おおぉ〜!!なんとも、圧巻。
この大岩には、見事な大日如来の磨崖仏が刻まれており、「戸板大日」とも呼ばれています。
苔むした岩肌に静かに浮かび上がる仏様の姿は、まさに「筑前国続風土記」に描かれた姿そのまま。


しかもこの大岩、ただ大きいだけではないんです。

なんと、この磨崖仏が刻まれた岩は、「『天岩戸神話』に登場する、天照大神が隠れた岩戸の片方である」なんだとか。
「天岩戸神話」といえば、太陽の神様・天照大神(あまてらすおおみかみ)が隠れて世界が真っ暗になった、あの有名な物語です。
一般的に、岩戸が開いた後、扉となっていた巨大な岩が力持ちの神様によって投げ飛ばされ、その岩が遥か遠くの長野・戸隠に落ちた、というのが定説なんです。


が、ちょっと待った〜!!
南面里の戸板峠には、これとは「もう一つ」の驚くべき伝説が残っているんです。

投げられた岩戸は「二つ」あったかもしれない、、、ということ。
戸板の山神社にそびえる巨大な岩は、江戸時代の大学者・貝原益軒も認めた通り、「天岩戸の扉の片割れだ!」と伝わっているんです。

つまり、那珂川の伝説が主張しているのは、こうです。

  1. 岩戸の扉(大岩)は、投げられた後、二つに割れた。
  2. 一つは長野の戸隠へ。
  3. そして、もう一つがここ南面里に飛んできた!

もしこれが本当なら、那珂川市のこの巨岩は、日本神話の超一級のモニュメントということになります。す、すごい!!


なぜそんな伝説が根付いたのか?
単なる言い伝えで片付けられない面白さが、地名に残っているんです。
かつて、この神社の北側の地域は、ズバリそのもの「岩戸村」と呼ばれていました。
現在も残る「岩戸小学校」という名前は、神話に由来するこの旧村名がルーツなのです。地名に神話が刻まれているなんて、素敵ですよね。

さらに、神社があるこの峠の名前「戸板峠」も、神話の「戸」から来ているという説があります。「岩戸の戸」が飛んできたから「戸板」。ストレートで、信憑性を高めてくれるネーミングです。

高千穂、戸隠、そして南面里。
日本神話のキーアイテムが、ひっそり南面里の山奥に眠っているかもしれない。そう考えると、この戸板の山神社が、さらに魅力的なスポットに見えてきませんか?
知れば知るほど、歴史の奥深さに引き込まれてしまいます。

アクセスはかなり秘境感があります。石段を登り、岩に寄り添うように建つ社殿を前にすると、日常を忘れさせてくれる静寂と自然の力を身体中で感じることができます。
ね、行きたくなったでしょう?はい、絶対行った方がいいです!


南畑にお越しの際は、この戸板の山神社でもう一つの天岩戸伝説に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

※道路が大変狭いので駐車場はありません。公共交通機関やタクシーなどを利用し、近くからお散歩がてらお越しください。