【しほさんぽvol.9】〜走れ!南畑の移動スーパー〜

SUMITSUKEスタッフの「しほ」が、気の向くままに南畑のおすすめスポットやお店などをご紹介していく地域案内「しほさんぽ」。今回は昨年スタートした移動スーパーについてご紹介します。

車体には南畑小学校の子どもたちが描いた、お弁当や野菜、果物、アイスクリーム、そして那珂川市の鳥『かわせみ』の絵などが全面を飾り、とても可愛いんです。

(どこを通っていても分かるように、パッと目を引くカラフルデザイン!)


(人気商品はあっという間に売り切れてしまうんですよ)

南畑地区協議体が主導となって、「南畑がもっと住み心地の良い地域になるように」という想いを込めて
2022年12月にスタートしたこの移動スーパープロジェクト。
現在、ボランティアスタッフの皆さんが力を合わせ、移動販売車が南畑地区を元気いっぱい走り回っています。

(不入道公民館にて。音楽を聞きつけてご近所さんが集まってきました。)

移動スーパーは、買い出しから値付け、在庫管理や運転手や販売員まで全て、南畑地域の区長さんをはじめ民選委員さんや地域の住民の方などのボランティアスタッフが行ってくださっています。この方たち無しではきっと実現出来なかったでしょう。

「ちょっとこ〜い、ちょっとこい♪」風に乗って南畑音頭が聞こえてきたら、そろそろ目的地に到着です。お財布とエコバッグを持ったご近所さんたちが続々と集まってきます。

高齢で足が痛くてなかなかお買い物に行けない方や山奥に一人暮らしをしている方など買い物難民の方々をサポートしている移動スーパー。山間部エリアならではの暮らしの悩みも解決していて、一週間分のお買い物をここで済まされる方もいるんですよ。

それに・・・、

「あらぁ久しぶり。最近見かけんかったけど元気しとったね。」「ちょっと腰が痛くてね〜。病院に通いよったとよ。」

お買い物支援だけでなく気軽におしゃべりできるコミュニケーションの場にもなっていて、週に2回、南畑地区中を回っていますが、地域の方にとってなくてはならない存在になりつつあるんです。

(なんでも揃っていてワクワクします。)

お肉にお魚、パン、野菜、果物、お菓子、ジュース、調味料、インスタント食品、日用品まで、とにかく生活に必要なものはほとんど載っています。ちなみに南畑住民御用達のお醤油も販売されているのは南畑ならでは。私もお醤油がない時はいつもここで買っています。

さらに嬉しいのが、節分の時は、豆と鬼のお面が売られていたり、桃の節句は、雛あられがあったり。買う側の気持ちを汲んだ、愛情がたっぷり詰まった商品が並ぶんですよ。

(今日は南面里区長さんがレジ当番です。)

1年経った今だからこそ、スタッフの皆さんは慣れた手つきでなんでもこなしていらっしゃいますが、
スタート時はレジ打ちがうまくできなかったり、住民の求める商品がわからなかったりと課題も多かったんだとか。
そんなみなさんですが、今ではレジ操作もお手のもの。賞味期限の迫った品物の値引き対応も完璧です。

ここに来れば、自然とみんなが笑顔になるから不思議。
昔話をしたり、地域で起こったこと、最近の困り事などをご近所さんとおしゃべりしながら、
『じゃぁ。また来週来るからね。』と言って皆さん帰っていかれます。

エコバックにたくさんの商品を詰めて自宅に帰って行かれる後ろ姿がとてもあたたかい。
この移動スーパーは、元気とか、希望とか、喜びとかお金で買えないものも一緒に詰め込んで運んできてくれている気がします。だから、特に買い物したいものがなくてもちょっと顔を出したくなるんです。今日は誰がきているのかなぁって。

ないものを作り出すことが得意な南畑の住民。
「まずはやれる事から始めてみよう!」そんな想いを持った方がとても多い。
子どもたちのため、高齢者のため、誰かの笑顔のために。
日常に溶け込んできたこの1コマを、これからは私たちが受け継いでいく番です。

移動スーパーを見かけた際は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。