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TALALEBA

桜の庭から明日を望む

AUTHOR

長尾 牧子 / 地域おこし協力隊

2014年8月に那珂川町地域お越し協力隊の南畑担当に就任。持ち前の行動力で、瞬く間に地域の人たちに愛されるキャラに。移住希望者と地元住民の橋渡しを行うキーマン。アート大好き。息子2人、娘1人、夫と5人家族。

GUEST

片岡 美智明 / 福岡R不動産

不動産サイト「福岡R不動産」の運営メンバー。海より断然、山派とあって、かねてより那珂川町へ興味津々。趣味はお酒と犬の散歩だが、犬は飼っていない。

 

南畑に点在する素敵なユニーク物件から「こうなるかも?」「ああなったらいいね!」と空想を広げる「たられば不動産」のコーナー。第4回は地域おこし協力隊員の長尾がお送りいたします。

南畑に関わりはじめて気づけば3年、SUMITSUKE那珂川のWebサイトを通して移住された方も少しずつ増えてきて、地域の方の反応もよりオープンに変わり始めたような気がしています。
特に、4月に移住交流促進センター「SUMITSUKE那珂川」ができてからは、ふらりと立ち寄っていろいろなことを教えてくださる地元南畑の方がとても多くなりました。

今回お邪魔する物件も実は、そんな地域の方のアプローチからつながったものなんです。

と、その前に、今回のお相手をご紹介しますね。
今回、いっしょに南畑の未来を妄想してくれるのは、福岡R不動産の片岡さん。
那珂川町役場と共同して南畑地区移住促進事業を進めている福岡R不動産ですが、片岡さんは普段、主に福岡市内の物件を発掘、紹介されています。

さて、そんな片岡さんのご協力で「たられば」する物件はこちら。

国道385号を南畑発電所にむかってぐんぐん上がっていくと、突然あらわれる大きな石垣とレンガ塀。
走る車の中からでも、思わずおおーっと見上げてしまうインパクトです。
オーナーさんのお話では、なんでもここは500年以上前からお家がある土地なんだとか!

物件下を流れる那珂川に架かる橋からは、細い流れが合流して大きな流れになる、まさにその部分が見えます。
福岡市中心部から車で1時間もかからずにこんな風景が見えてしまうのは、いつ見てもすごいものです。

実は今回の物件、これまでとは少し違っていて、今もオーナーさんがたびたび訪れて管理をされている物件なんです。
ずっと大事に手入れしてこられた物件を、同じようにきちんと取り扱いながら、南畑のために使ってくれる人がいないか?ということでお話をいただきました。

ただ、実はこの物件、お家だけではなくて盛りだくさんの”オプション”がついているんです。
空き家バンクに載せておくには正直ちょっと規格外すぎるこの物件。
でもその”オプション”含めぜんぶが魅力的で、上手な使い方ができればきっととても素敵なことが起こる!と確信してしまったので、今回思い切ってこちらで妄想してみることにしました。

石垣をとりまく坂を登りきると現れるのは、ほどよいサイズのきれいな母屋。
オーナーさんのお母様のため15年前に建てられたお家で、南畑ではコンパクトなサイズながら、日当たりもよくバリアフリーにも配慮された物件です。

足を踏み入れるとまず出迎えてくれる”オプション”はこの大きなお庭。
片岡「これはすごい庭ですね!広くて日当たりがよくて、きちんとお手入れされていて…」
長尾「山の影になりやすい南畑ですが、高台のここは特別ですね」

長尾「実は、このお庭をきちんときれいにしてくれること、というのもオーナーさんのご希望なんですよ」
片岡「なるほど!これだけ広いと、きちんとプロの方にお願いしないとダメでしょうね」
長尾「となれば、普通の方には難しいかも…」
片岡「そこは逆転の発想で、企業さんをターゲットにしてもいいんじゃないですか?」

長尾「企業さんというと……たとえば保養所とかですかね」
片岡「それもいいんですけど、小さい会社だったらいっそ思い切ってオフィスごと引越してしまうとかもアリじゃないですか?福岡市内からのアクセスと豊かな自然、という意味では糸島もそうですし」
長尾「たしかに、糸島の近くにはオシャレで小さな企業さんがオフィスを構えていたり、という話もききますよね!」

庭の端にはなんとも枝振りの良い桜の大木も。そのたもとからは、山間の緑の風景が見下ろせます。
長尾「この大きな木のそばに立ってこの景色を眺めるだけで、気分がすーっとしていきますよね」
片岡「たとえば、こんな場所にオフィスがあったら仕事に行くときの気分ってずいぶん変わりません? 休憩中に外で一服するにしても、ビルの壁を見ながらと、こんな開けた景色を見ながらじゃぜんぜん違いますよ」
長尾「最近は、そんな日々の環境を大事にする企業さんも増えてきているような気がします」
片岡「海辺のオフィスがあるなら、山の中のオフィスだってアリですよ!」

母屋の玄関のお隣には明るいリビングが。
長尾「ここはまさに今のレイアウト通り、オフィス使いでも素敵な応接室になりそう!」
片岡「窓ガラスの幅が広いおかげでゆったりした雰囲気ですね〜。床も無垢フローリング。ぽかぽか日が差し込んで、いいなあ、こんな職場……」

長尾「お隣はお仏間ですね。観音開きの扉の向こうにはまだお仏壇がありますが、こちらはオーナーさんがお引き取りになるそうですよ」
片岡「障子の下半分を引き上げるとガラス窓になるんですね。光の差し込み方が独特でいいなあ」
長尾「こちらが東向きなので、山の端から昇る朝日がサッと差し込むんですね。隣の寝室に朝日が差し込んで気持ちよく起きられるように、というオーナーさんのお母様への愛が詰まっているんです」

片岡「こういうディテールにも遊び心があるなあ〜」
長尾「普通の効率重視で設計されたつるっとしたオフィスで働くよりも心安らぐかも」

そしてなんと、広いリビングダイニングには掘りごたつが。
片岡「おお、さっきの桜の木が座ったまま眺められるじゃないですか!」
長尾「ここでコーヒーを飲みながらみんなでミーティングなんて最高ですね」
片岡「朝日を浴びる庭を見ながら働いて、午後にはここで一息ついて…みたいな働き方ができたらいいですよね。斬新に聞こえますけど、もしかしたらこれからはそういう働き方が普通になっていくのかも」

長尾「ところで、実はこの物件、お庭と母屋以外にもまだ色々あって……」
片岡「まだあるんですね!行きましょう!」

長尾「まずはこの倉庫。1階の手前側にはキッチンとトイレもありますよ。お風呂はないんですけど」
片岡「シャッターの向こうの倉庫部分も大きいし、なにかものづくりをするのにはぴったりかも」

長尾「この階段の上にもう一部屋あるんですよね」
片岡「倉庫としてはかなり大きいですよねえ。これだけでも借りたい人がいそうです。倉庫みたいな物件、ってオーダーは福岡市内でも多いんですよ。大きな器材を使ったり、材料を広げたりするようなモノづくり系のお客さんは特にそうですね」

片岡「おっ、上は畳敷きの部屋なんですね!今は荷物で埋まってますけど」
長尾「ここなら泊まり込みもできますね。この倉庫まるごと、住みながら作業する場として貸すこともできるんじゃないですか?工房のある小さな家を探してこられる方って多いんですよ」
片岡「母屋をオフィスとして使いながら、シェア工房として開放するのもアリかも。案外そんなところからコラボが生まれたりとか」

長尾「まだまだあるんです、お次はこちら!」
片岡「畑!」
長尾「これも合わせて借りてほしい、とのご要望なんですよ。ちなみに今はジャンボにんにくが元気に育っています」
片岡「なんだか色々増えてきましたねえ〜」

片岡「もしかして、ここもですか?」
長尾「そうなんです!道路を挟んでお向かいの、南畑発電所が見える土地も」
片岡「土地!しかもかなり広いですね。もう1軒余裕で家が建てられそうなくらい」

長尾「ここも畑にしてしまったり、小さな山小屋を建てて会社のイベントに使ったり、色々できそうですよね!プチキャンプ場にしたりとか、うーん、あとは……ヤギを飼ったり!」
片岡「ヤギ」
長尾「草を食べてくれるから、けっこう飼っているお家が多いんですよ、ヤギ。動物のいる会社ってすてきですよ〜」

片岡「朝日の差すオフィスに、見事な桜のある広い庭に、ものづくりの拠点になりそうな倉庫、小さくて日当たりの良い畑と、何にでも使えそうな土地……あらためて見るとものすごい豪華セットですね。想像力さえあればなんでもできそう」
長尾「でも、これだけのものを個人できちんと管理するのはやっぱり大変ですね……」
片岡「だからこその南畑オフィス計画ですよ!我こそはという企業さん!」
長尾「緑に包まれたオフィス計画、いかがでしょうか!」

存分に妄想を繰り広げた帰り道、ふと振り返ると塀の上からあの桜の大木が顔をのぞかせていました。
心なしか、桜も南畑に新しい風が吹くのを待っているように思えます。

ここまでお伝えしてきたとおり、素敵な”オプション”山盛りのこの物件、確かに難易度は少々高めですが、逆に言えばこれほど豊かな物件も他にありません。
もしも「ここでなにかやってみたい!」と思われる方、いっしょに南畑の未来を描いてくださる方、ぜひこちらからお問合わせください!

【物件情報】
種類:賃貸
所在地:那珂川町市ノ瀬
交通:JR博多南駅より車で約20分
構造:木造瓦葺平屋建
建築年:平成14年1月
床面積:121平米
土地面積:991.39平米
賃料:30万円(10年契約)
敷金・礼金:引き渡し状態により相談
駐車場:2台駐車可
付帯建物:倉庫
設備・ライフライン:井戸水、電気、給湯、流し台、洗面台、トイレ
特記・備考:畑、土地あり