SUMITSUKUには

移住を考える方々へ伝えておきたい南畑の暮らしがあります。南畑には、どんな人達が、どんな暮らしを営んでいるのか。そこには、どんなコミュニティが広がっているのか。ふらりと立ち寄るわけではなく、地に足をつけて「棲みつく(SUMITSUKU)」を考えるみなさんに、知っておいて欲しい里山の暮らし。住んでいる人はもちろん、仕事をする人まで、あらゆる方面から南畑に関わるメンバーが、ざっくばらんに語り合いました。町の大切な一員として迎えたいからこそ、本音で伝えます。

添田繁昭南畑ぼうぶら会議会長

自慢はきれいな水と空気、豊かな自然、元気なじーちゃん達。と語る通り元気がトレードマークの南畑ぼうぶら会議会長。南畑ぼうぶら会議を通してスマホの技術を修得。今では、SNSも駆使して南畑の魅力を発信中。

土師正成那珂川町役場職員

那珂川町総務部経営企画課協働のまち推進担当係長。南畑の移住施策の担当として、南畑ぼうぶら会議をはじめ、地元住民の活動を行政としてバックアップしている。週末に2人の子どもと自然の中で遊ぶのが癒し。

長尾牧子地域おこし協力隊

2014年8月に那珂川町地域おこし協力隊の南畑担当に就任。持ち前の行動力で、瞬く間に地域の人たちに愛されるキャラに。移住希望者と地元住民の橋渡しを行うキーマン。アート大好き。3人の子ども、夫と5人家族+カメ。

坂田賢治福岡R不動産

独自の視点で物件を紹介する不動産屋「福岡R不動産」に所属。これまで20以上の自治体と協働で進めてきた移住促進事業の経験を活かして、南畑に眠る空き家の整備を進める。飲み会と本があれば基本的に幸せ。

この町の魅力を受け継いでいくために、
今こそ立ち上がった南畑ぼうぶら会議

坂田:南畑は、まだまだ知られていない福岡の秘境ですが(笑)、町づくりに関わる人や、情報感度の高い人からは注目を集めていますよね。その原動力は何なのでしょうか?

長尾:「南畑ぼうぶら会議」の存在は大きいですよね。このちょっと不思議な名前の集まりは、2013年に結成された南畑の区長が中心となってできた集まりです。その中心人物の一人が添田さん。その時は、どんな思いで始められたのですか?

添田:私をはじめ、ぼうぶら会議の主要メンバーは、みんなこの町で生まれ育ちました。水はきれいで、空気も美味しい。みんなこの町で暮らすことを気に入っているメンバー。そんな我らが愛する南畑も、ご多分に漏れず少子高齢化の波が押し寄せているんですね。気づけば、空き家もちらほらですし、まだまだ元気ですが高齢者ばかり。ちょっと先のことを考えると、この町を元気に受け継いでいくために、いま、立ち上がっておかなくてはと考えたんです。

土師:南畑のみなさんのそんな思いを受けて、役場でもバックアップの体制をとらせてもらいました。ぼうぶら会議というのは、実は愛称なんです。正式名称は、南畑地域活性化協議会。このキャッチーなネーミングは、町が声をかけてプロデューサーとして加わってもらった株式会社ブンボの江副直樹さんにつけていただきました。

長尾:ときどき、ぼうふらですか?とか、聞かれるんですけど、ぼうぶらですよね。

添田:そうそう、この辺りで育っていたかぼちゃの一種。細長い不思議なカタチをしているんです。最近は、あまり見なくなったけど、昔は南畑のどこの庭にも育っとりましたね。

坂田:実は、僕は那珂川町のことはなんとなく知っていましたが、南畑のことはほとんど知りませんでした。でも、南畑を紹介する「南畑の本」に出会って軽く衝撃を受けました。こんな風景が、最寄りの那珂川町にあったんだとー。

土師:もともと、南畑は30年くらい前から工芸作家さんたちに秘かに愛されてきた町なんです。陶芸家や染め物、ステンドグラスなど、工房が点在しているんですよ。きれいな水と豊かな農作物に惹かれて、こだわりのパン屋、うどん屋、カフェなどもある。でも、あまり宣伝上手じゃなかったのか、知られていなかった。そんな町の魅力をまとめたのが「南畑の本」ですね。プロデューサーの江副さんをはじめ、ぼうぶら会議の皆さんにも編集メンバーに入っていただきました。

長尾:本の他に、ぼうぶら会議から生まれたイベントが南畑美術散歩ですよね。秋の一日に、南畑に点在する工房やカフェなどを町歩きしながらめぐってもらおうというイベントです。2014年に立ち上げたばかりのイベントですが、多くの方に足を運んでいただいていて、南畑に注目が集まっているのを実感しています。

ほどよく田舎で、住んでいる人もオープン
敷居の低い南畑への移住とは

添田:しかし、南畑地区にある唯一の小学校、南畑小学校がここ数年、児童数は減少するばかり。現在は、1学年1クラスをなんとか維持していますが、このままいくと2学年で1クラスになったり、さらには最悪の場合は廃校したりということも考えられる。この小学校は、南畑コミュニティの大きな核になっている場所。なんとか残していきたいと思っているんですよ。

長尾:南畑小学校では、ユニークな授業があるんですよ。南畑に工房を開いている陶芸やステンドグラスの先生が授業に教えにきてくれるんです。小さな頃から本物のアートに触れられるっていいですよね。運動会など小学校の行事のときは、生徒よりも見学者が多いんです。保護者の方以外にも、地域のみなさんがまるで親御さんのように参加してきてくれるんです。そういう関係も、残していきたいですよね。

土師:町としても子育て世代の移住は、特に力を入れたいと思っています。そのためにも、まず体制づくりが必要。今回のこのSUMITSUKE那珂川では、移住サポートや不動産斡旋のプロフェッショナルである福岡R不動産に協力いただくことになりました。

坂田:福岡市から車で30分程度というアクセスで、こんなに美しい山や川などの自然環境が手に入る。今までの移住の敷居をとても低くする立地だと魅力を感じています。福岡で移住といえば糸島地区が話題ですが、そこにも負けないポテンシャルがあると思います。もうひとつ、移住の敷居を下げているのが受け入れ側の体制ですね。半年間、南畑に通う中で、ぼうぶら会議をはじめとして、地元の方々がとても協力的なのを感じています。移住の課題のひとつとしてあげられるのは、関係づくり。みんな一緒にこの南畑を良くしていくという気持ちがあるので、うまく移住希望者とのマッチングができたら、もっと良い場所になるでしょうね。

土師:しかし、移住へ向けてはまだまだ課題も多いのも実情です。空き家は多くあるのですが、住める家がない。空き家はあっても、賃貸できる体制が整っていないのです。そこは、いま、福岡R不動産の力を借りて体制づくりを進めています。

添田:移住してきているいくつかの家族も、確かにこの町に馴染むのは早かったと思います。そういう人たちは地域の行事などにも積極的に顔をだしてくれていますよ。

長尾:もちろん、南畑での暮らしには苦労も待っていると思います。小学校の児童数が少ないのは、子どもたちにとっても大変ですよね。地域行事も続けていくのは難しいし、車があれば30分程度とはいえ、都会的な便利さはない。福岡市内と比べると3、4度温度が低いので、雪が積もることもありますよ。

坂田:そんな大変さも押さえながら、それ以上の魅力を南畑に感じてくれたらいいですよね。移住前に知っておきたい大変ポイントなども、あえてどしどし紹介していきたいですね。

添田:ぼうぶら会議のメンバーは65歳以上。まだまだやんちゃ盛りのつもりだけど、若手に引き継いでいくことも大切。若いプレイヤーたちには、若い発想でいろいろとやってほしいと思っています。自分たちはそんな柔軟なアイディアを実現するためのサポートは万全のつもり。自分たちの経験を大いに活用してください!

写真左から坂田氏、添田氏、長尾氏、土師氏